十六夜に誘われ

ぼんやりとした満月。


9月後半の夏の余韻を感じつつ秋に進んでいく空気がとても好きだ。
そんな時に出会った一枚を思い出す。

DELAYED

DELAYED


このアルバムを予約して買ったのがはじまりだったと記憶している。
綺麗だった。
夜に自分の部屋に閉じこもって、私がどんな思いで何を思いながら聴いていたかはあまり思い出せない。
微かに残る感覚。それを、今の空気は私の体のどこからか引っぱり出してくる。


924に五十嵐さんが出るらしい。
らしい とか人事に言っちゃってるがその情報はすぐに知っていた。
924に行かないのもあるし、行ったことがないから、特記しなかった。
これについて書いてるのを見ても、どこか上の空。強い思いがあることだけは認識したが。
思えば、シロップの時からそうだった。人がどんな思いで聴いてるかなんて知らないし、知ろうとしなかった。
シロップのライブに一人で行ったことはないけれど、隣にいた友達がどう思っていたか、わからないなぁ。
そういう意味で共有する音楽ではないと記してきた。
ただ私は、Syrup16gが好きな人は信用してしまう。その前に心配はするけれど。
人間の醜さや弱さを知ってるんだろうなと思ってしまうから。それを見据えて、どう生きるか。



はっきり言って、解散したからと言って私はSyrup16gの音楽の聴き方は変わってないし生活に影響が出てるとも思わない。
私の中では同じように鳴っているし、自分の感情に一番左右される。
でもふと新しい曲は聴けないんだな〜とか、ライブという空間で聴くことはないんだな〜と思うと胸がギュっとなる。
この事実が何よりも苦しいのは理解してるさ。


ライブでは新曲ばっかりなのに、いつリリースするんだろうとずーっと長い間思っていたにも関わらず私の中では立て続けに身を削ってアルバムをリリースしていた印象が強く、生き急いでるイメージだ。
この半年が長かったのか、短かったのか。
本人はどうだったんだろ?
そして、彼が今唄う歌はどんなのだろ?
そう思うと行きたくなってきたや。